高大連携:2017米軍子弟高大連携プロジェクト・研究室体験

極東米軍基地内ハイスクール生徒を対象とした高大連携事業が本学で2012年より実施されております。これは米軍子弟100名が本学の20の研究室に5名ずつ、2日間にわたって研究室体験を行い、成果発表会で実施成果を発表する取り組みです。今年度は、平成29年9月11日~15日にかけて行われました。生物資源学類では3つのコースで受け入れを行いました。

農林生物学コース・作物生産システム学研究室では、林久喜教授と加藤盛夫助教がLIFE SCIENCEの分野で学生を受け入れました。

加藤助教は光合成と物質生産について講義と実験を実施しました。
Photosynthesis and dry-matter production of rice:
(1) How to measure the photosynthesis of crops in the field
(2) The difference of photosynthetic reactions between C3 and C4 crops
(3) How to measure the productive structure of crops
(4) Is there a difference on production structure between rice and dicotyledon?
午前中は主に講義として我々の生活における光合成の意義や重要性について説明し、光合成の基本反応およびその測定方法の原理を解説しました。その後、研究現場で植物の光合成速度の測定に使用している携帯型光合成測定装置を紹介し、その測定方法を説明しました。午後はこの測定装置を使用して実際にイネをはじめ作物の光合成速度を受講生徒が協力して測定しました。当日は天候にも恵まれたため、装置を作物見本園に持ち込み、光の強さを変えながら数種類の作物の光合成速度を測定して、作物の種類による光合成速度および光に対する反応の差を比較することができました。

林教授は米の品質について世界の様々な米を題材に講義と実験を実施しました。
Quality of rice:
(1) What is the quality of rice?
(2) How to measure the quality of rice
(3) Quality of appearance in rice
(4) Palatability and palatability test
(5) Sensory test and instrumental analysis of palatability
(6) Breeding cultivars of rice for different use
講義では日本における米の生産・消費状況の変化から、量的確保から質的向上へと米の育種、生産が変化してきたこと、米の品質が法令でどのように規定されているか、米の品質に影響する要因などについて質疑応答を交えながら話題を展開しました。そして世界で栽培されている10種類の米について、受講生徒が米をといで炊飯し、炊飯米について食味評価試験を行いました。一方、この穀粒および炊飯米を使用して、水分計、穀粒判別機、米粒食味計、炊飯食味計、硬さ粘り計などの機器分析により水分、外観品質、成分、食味値などを測定し、自分たちで食べて評価した結果や成分、機器分析による食味値との関連、課題などについて議論しました。

応用生命化学コース・ゲノム情報生物学研究室では、生命領域学際研究センター内において、”Health Science” コースの研究室体験実習を行いました。

環境工学コース・自然地域計画学研究室では、牛久自然観察の森を訪れ、”Protected area and wildlife management” コースの体験実習を行いました。

最終日には、成果発表会が行われました。