授業風景:森林流域工学実習

森林流域工学実習は主に生物資源学類の3年生を対象にした実習で、井川演習林をフィールドとして、森林流域での水・土砂流出の調査法を習得することを目的としています。また、実際に計測されたデータを題材として、森林の水環境や山地での土砂移動プロセスを理解し、流域環境のあり方や管理の課題について考察します。本年度は下記の日程で実習を行いました。

第1日:大井川流域における砂防・治山施設の見学(山腹工や植栽工、渓流工による土砂生産・流出の抑制)
第2日:井川演習林内での土砂動態調査
 ・土砂移動、森林植生の変化の実態を現地データから読み取る
 ・土石流や掃流砂の流下痕跡および河川の水理条件との関係について考察する
 ・土砂流出による撹乱が渓畔林の樹種・林齢構成に与える影響について考察する
第3日 井川演習林内での水文調査
 ・山地流域における渓流水の流出量や水質(電気伝導度、水温)の多点調査を行う
 ・流域内の水文プロセス(雨水流出機構)の空間的な不均一性および水文プロセスと土砂移動、地形・地質条件との関係性について考察する
第4日 安部川上流を登山し, 大規模崩壊地である大谷崩を観察
 大規模崩壊が流域に与える影響の時間的、空間的な大きさについて考察する