授業風景:植物寄生菌学実験

植物寄生菌学実験は主に生物資源学類の3年生を対象にした実習で、自然界において重要な役割を演じている菌類のうち、植物に寄生あるいは共生している菌類の採集法、観察法および同定法を修得することを目的としています。さらに、野外実習を通してこれら菌類の生態ならびに生態系における機能を学習します。

具体的には、菌類を野外で観察して採集し、その標本を作成するとともに、菌類の重要な繁殖体である胞子などの形態を顕微鏡観察し、その形態的特徴や形態的多様性について理解します。また、野外実習を通して、植物寄生菌類の発生状況などを観察し、その生態についての認識も深める。本年度は9月下旬に下記の実験を行いました。

第1回:野菜類などに被害を及ぼす菌類(べと病菌類、疫病菌類など)
第2回:農作物などに被害を及ぼす菌類(うどんこ病菌類、子のう菌類など)
第3回:植物にさび病を発生させる菌類
第4回:草本にくろぼ病を発生させる菌類
第5回:樹木に被害を及ぼす菌類(青変病菌類、腐朽菌類)
第6回:健全な植物の体内に潜んでいる菌類(植物内生菌)
第7回:植物の根に共生する菌類(菌根菌)
第8回:無性的に栄養胞子を生じる微小菌類(不完全菌類)
第9回:植物寄生菌類の生理、生態、分類の解明に必要な分子生物学的手法