先輩に聞きました:錢谷菜々未さん(環境工学コース)

このコースに進学した動機を教えてください

入りたいと思った研究室がこのコースだったことが一番の理由です。また、私は顕微鏡スケールのミクロな対象ではなく、目で見てわかるものや現象を対象にした研究をしたい、と思っていたので環境工学コースの研究室が研究の対象とする食品や水、土、木材などに興味をひかれたこともあります。

卒業研究のテーマ・内容について紹介してください

テーマは「熱処理木材中に残留する低分子量の糖が振動特性に与える影響」です。私は、楽器に使われる木材の改質を目的とした熱処理について研究をおこなっています。楽器材料には伐採から長い年月を経た木材(=古材)がよいとされていますが、由来の確かな古材を手に入れることは難しく、月日を経ることで木材の物性がどのように変化するかはよくわかっていません。一方、木材を楽器材料に適した物性にする方法の一つとして熱処理があります。熱処理によって木材の物性を短時間で変化させることが出来、その効果は加熱時間や温度、処理反応槽内の湿度によって決まります。私は、処理反応槽内の湿度に注目し、湿度を変えて熱処理した木材の振動の変化を測定するとともに、熱処理によって生成した木材中の糖が振動に与える影響について検討しています。

このコースで学んだことを将来どのように役立てたいですか?

環境工学コースの講義や実験を通じてどんな風に考えていけば良いか、論理的に考える方法を学んできました。様々な分野の講義を受講できたことで、自身を客観視することにもつながり、最終的に自分の本当にやりたいことを見つけることも出来ました。また、卒業研究の過程でアナログな測定にこそ工夫や知恵を働かせる機会が潜んでいることを知りました。私は、卒業研究の内容をもう少し深く研究したいと思い、卒業後は大学院に進学する予定です。将来的には、ここで学んだことを生かして木材産業にかかわる職に就ければいいなと考えています。

将来の生物資源学類の学生の皆さんにメッセージをお願いします

生物資源学類には本当に様々な分野の先生が在籍しているので、1つのことに限らずいろいろ学べる環境が整っています。様々なことを学んでいく過程で論理的な思考力を身につけることができ、自分を客観視することもできるようになっていけると思います。多くの刺激を受けつつ自身の方向性を探求していくことが可能な学類ですので、皆さまの入学をお待ちしています。