先輩に聞きました:権哲源さん(応用生命化学コース)

このコースに進学した動機を教えてください

小さいころから「生命科学」と「後発発展途上国の支援」に興味を持っており、生物資源学類へ入学しました。大学2年次に、現在所属している研究室の教授の授業を受講した際、ミクロな視点から生命現象を解き明かす分子生物学の面白さに感動し、応用生命化学コースへの進学を決意しました。

卒業研究のテーマ・内容について紹介してください

卒業研究では、ホルモン受容体間の相互作用を介した血圧制御機構の解明について取り組んでいます。生体の血圧制御は、「血管内皮細胞」と「血管平滑筋細胞」による血管の弛緩と収縮のバランスによって調整されています。この制御を担うのが、それぞれの細胞表面に存在するホルモン受容体です。私の所属する研究室にて行われた、細胞レベルでの先行解析において、異なるホルモン受容体間での協調的な相互作用により、血管の収縮がより増強されるメカニズムがあることが示唆されています。そこで私は、この作用の生体内血圧調節における意義を明らかにするために、これらのホルモン受容体を欠損した遺伝子改変マウスを作製し、検証しようと試みています。この研究成果は、ホルモン受容体の新たな機能の解明だけでなく、将来的には、これらの受容体間相互作用を利用した新規血圧制御法の開発にもつながると考えています。

このコースで学んだことを将来どのように役立てたいですか?

3年次の学生実験では、応用生命化学コースの全ての分野に関する基礎的な実験を修得しました。それまで全く知らなかった分野の研究を肌身で実感できたことは、とても新鮮で、良い経験であったと思います。今後は大学院へと進学します。専門的な知識だけで頭でっかちな人間になるのではなく、常に様々な角度から物事を捉え、考え、解決していけるような人間になりたいと思います。

将来の生物資源学類の学生の皆さんにメッセージをお願いします

生物資源学類の進路は幅広いため、多様な価値観を持った学生がいます。友人たちには、学業に関してのみならず、多くのことを学ばせてもらいました。生物資源学類に入学したら、自分の志望するコースだけでなく、時には他コースや他学類の授業も受講して、多くの学生と親交を持ち、色々な考え方を学ぶと、より充実した学生生活を送れるのではないかと思います。