先輩に聞きました2:下段千尋(応用生命化学コース)

このコースに進学した動機を教えてください

私はもともと「食」に興味があり、「食」を通して社会の役に立てる勉強や研究がしたいと思い、生物資源学類に入学しました。1・2年次に授業や実習を受ける中で、直接見ることの難しい細胞や分子のレベルで生命現象を理解することに興味を持ち、応用生命化学コースを選びました。特定の生物種に限定せず、動物・植物・微生物などあらゆる生物に共通する普遍的な生命現象について学ぶことができるのが、このコースの楽しいところだと感じています。また、基礎科学的な知識だけでなく、それをどのように役立て得るかという考え方も身に付けることができると思います。

卒業研究のテーマ・内容について紹介してください

卒業研究では、微生物の細胞が持つ指紋のような特徴(自家蛍光シグネチャー)を解読する研究を行いました。所属研究室では、この特徴を細胞1個1個から取得して解析する技術を開発し、それらが細胞内部の状態を反映することを明らかにしていました。私はこれを用いて、通常の顕微鏡観察では捉えることのできない微生物の「生」と「死」、それぞれにおける細胞の状態の違いを調べました。

このコースで学んだことを将来どのように役立てたいですか?

私の卒業研究の内容は、一見すると基礎的で、学類を選ぶきっかけとなった「食」とは関係がないように思えますが、例えば食品製造の現場で雑菌汚染を防ぐための除菌・消毒の有効性を評価する方法として、将来的には「食」に貢献できる可能性があると考えています。

将来の生物資源学類の学生の皆さんにメッセージをお願いします

特定の分野を突き詰めることも楽しいですが、大学に入学したら、まずはいろいろなことに挑戦してみてください。生物資源学類では、農学に関する非常に幅広い分野を学ぶことができます。全く関係がないと思っていた物事が、思いがけないところで繋がっていることに気付いたり、それまで興味があるのかどうかも考えなかったようなものに、夢中になることがあるかも知れません。