キャリアサポートセミナー/国際食料生産開発学セミナー開催報告

2018年1月11日に、国立研究開発法人国際農林水産業研究センター(JIRCAS)・研究コーディネーターでCGIARシステムオーガナイゼーションプログラム評価事務官としてフランスに勤務する、生物圏資源科学専攻の村中聡准教授によるキャリアサポートセミナーと国際食料生産開発学セミナーが開催されました。

前者は、DACセンター、グローバル・コモンズ機構とT-PIRCが共催し、”Global Food Security and Challenge of CGIAR”と題して、国際機関での社会貢献活動など学生のキャリアアップにつながる情報提供を主な目的として開催されました。22名が参加し、大学院の修士学生、博士学生と共に、生物資源学類の2年生2名が参加しました。世界人口が増加する中で、9人に1人の8億人以上が飢餓状態であり、食糧の増産を含む農業研究が21世紀の最重要課題となっている現状と、この課題解決のためにCGIARがどのような挑戦を行っているかについて、丁寧に説明されまれた。講演後の質疑応答では国際機関への就職のチャレンジについてなどキャリアアップに直結する質問など活発に出される中で、生物資源学類生からはCIPが推進しているビタミンAが摂取できるオレンジのサツマイモについて育種や利用などに関する質問がなされ、積極的に議論されました。

後者は、「アフリカの地域作物の遺伝的多様性の有効利用に向けて」と題して、村中先生の研究課題であるアフリカにおける地域作物のヤムおよびササゲのプロジェクト研究について、アフリカの地域特性や社会情勢などの基本事項も交えながら分かり易く説明されました。参加者19名のうち、生物資源学類からは2年生3名、3年生3名、4年生4名の計10名が参加しました。地域作物と呼ばれるグループに属する2作物について、収量性や病害虫耐性のみならず商品性や地域住民の嗜好性などの売れる要因を加味した育種目標を定めて、研究開発を進めて農家の暮らし改善にまでつなげるプロジェクトの流れは、農家や消費者が待望する育種であることがよく理解できました。セミナーを通して、プロジェクト研究の魅力が理解でき、作物研究への興味関心が涵養され、将来、アフリカでの研究に興味が持てるようになりました。